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遥か昔、神々は天高き所に暮らしていたという。

それらは詩を謡い、風を駆け、空に舞い、水で潤し、愛を灯して星を繋げた。


ある時、犯した罪により幾多の神々が地に堕ろされた。

天より堕ちた神々は人となり、いずれ死ぬ運命を与えられた。

人となった者たちは天の神々に許しを乞い、祈った。
しかし、やがて信仰は薄れ、途絶えて力を失った。
天の神は人々に悲しみ、地から恵みは失われた。

水は渇き、あるいは海は溢れ、作物は失われ、そして人々を争いへと向かわせた。


戦乱の中、神々は天に近い者たちを選び、祈りを課して代わりに地を治めさせた。

それでもまだ、地上の人々に神の恵みは戻らない。

天へと帰ることが許される日を夢見たまま。

 

- 凪国の伝承の一部 -

 異世界【カルディア】。その世界における地球にあたるこの星【アトラス】には、地球と同じように人類が生活し、同じように文化を持ち、同じように言葉を喋っている。アトラスには多くの国家があり、それぞれの国家や地域でそれぞれの言語が話されている。

 【凪国】はその一つ、【アルカット大陸】の東端に位置する国家である。西端に位置する超大国【アルバザード】、そして大洋を挟んだ先の【ルティア】に次ぐ、カルディアの大国である。

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 極東の国家である凪国は、皇(すめらぎ)を元首に戴く立憲君主国で、また強力な海軍を以って世界の海を駆ける海洋国家である。過去にはアルバザードやルティアの一部を占領、支配して版図を世界に広げていた。現在ではアルバザード、ルティアをはじめとする枢軸国と同盟し、アルカット大陸の中央に位置する国家【メティオ】率いる連合国と緩やかな対立関係にある。

 そして、ここで紹介する【凪霧】は、この凪国で使われている言語である。その国力の大きさから周辺国家でも公用語となり、さらに旧領土を初めとするさまざまな国で学ばれている。

 凪国は、アルカット大陸東部に位置する、東洋の大陸国である。南と東は海に接し、北と西では陸に接する。凪国の行政区分は、州 > 県 > 市 > 町・村という順になっている。州は8州が存在し、その下に多くの65の県が置かれる。ただし、凪京と水城は特別市である。人口は凪京とその周辺の京州、また水城に集中し、この2エリアに国民の約3分の1が居住している。

 北には神城、北西には包雲、西には藍峡という同盟国が位置する。南西の新陽とは同盟国ではないが、比較的温和な関係を構築している。

 凪国の現在の領土はこの大陸東端のみであり、ほぼ全土が山地や森林に占められている。中央を凪山脈が縦断し、南端の波界半島まで突き抜けている。その西側には龍丘高地が存在する。鍵守湾周辺、凪海に面する海岸沿いのみが低地となっている。

 国土における最高地点は天山で、首都である凪京の西に位置し、聖地でもある。その麓には樹海ともいえる広大な森林である黎森があり、同様に聖地といえる。凪京は天山から流れ出た凪河の岸に位置する都市である。高度は低くはなく、盆地のような位置に存在している。全ての方向が山に阻まれ、古くから敵の侵入を防ぐ自然の要塞として発展してきた。凪国建国以後、都が他の都市に移されたことはない。

 凪京から少し南のところに寒河が流れる。この河を境に、凪国は大きく河北と河南に分けられる。河北は雪が降り冷涼な気候で、河南はスコールが降る森林地帯である。凪国で最も大きい都市である水城は、河南に位置する。水城は凪海に面し、また凪国で最も大きい川、咲河の河口でもある。近代に入ってから栄え始めたこの港町は、凪京と並ぶ特別市として急速な発展を遂げた。臨海鉄道、モノレールなどが走り、高層ビルが立ち並ぶ世界的にも非常に先進的な都市である。

 鍵守湾周辺は、工業地区である。凪国で最も大きいカグラグループはこの地域を中心地区としている。長い間港町、そして造船地区として栄えた場所でもあり、凪国が誇る艦隊の母港は鍵守湾東部にある照瀬に位置する。

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白浜 루 頻波
라 루 海見
루 外海 白波와투 

 このサイトでは、主に凪霧という言語を紹介している。

 凪霧は、この世界の国家である凪国で主に使われている言語である。この言語はもともと古代国家ハーディアンが存在した時代から受け継がれたものであり、ハーディアン語から凪霧へと歴史的変化を遂げた。周辺国家が用いている言語とは、その歴史的経緯により非常に近縁である。

 凪霧は日本語や韓国語とよく似た言語だと言える。主語は必須でなく、動詞の語尾がさまざまに変化し、また、名詞の形は変わらないが、格助詞が存在する。そして係助詞があり、形容詞は動詞と似ている。

 

 凪霧の最も特徴的な点は、【京極】という特殊な文字体系を使う点にある。京極は【京字】と【極字】の二つの文字群から成る。

 京字は、日本語のひらがな・カタカナのような、音を表す文字である。それぞれの文字が独立して音を表している。凪霧では、この文字を格助詞や動詞の語尾のような、補助的な語に用いる。

 極字は、漢字のような、単語を表す文字である。それ自体は普段は音を表さず、特定の語を示す。凪霧では、この文字を名詞や、動詞の核となる部分のような、主要部に用いる。

 

 地球にあるさまざまな言語と同じように、凪霧には方言が存在する。多くはアクセントの体系によって区分され、最も古い体系に近いカレンシア方言や、現在ニュース番組や教育において用いられる標準凪霧、また宮廷などで用いられる宮言葉がある。このサイトでは、主に標準凪霧を解説している。

 

 また、やはり地球の言語と同じく、さまざまな外国語が存在する。凪霧が大きく影響を受けているのは、超大国アルバザードが用いている世界共通語である【アルカ】である。特に現代的な用語において、多くの借用語を用いている。

凪皇夕天 나기 이루카은 위라카 

現在、凪国の皇には

夕天(ユラカ)陛下が在位されている。

先皇である櫛記(ルズナ)陛下の長女で、先皇陛下が50歳で崩御なさった後、19歳で即位された。現在25歳。

凪国の皇は立憲君主ながらも政治的実権を保持しており、先皇陛下に続き

夕天陛下も強い指導力を発揮されている。

寒末大豪雨では首相府に先んじて対処の陣頭指揮を執られ、御即位から2年目にして決断力の高さを国内外に示した。

頻繁に各地に足を運ばれ国民と交流なさり、国民からは大変親しまれている。

また、他国の君主同様に外交の顔でもあり、様々な国際会議、交流事業等に出席されている。

大学に入る御年には皇として即位なさることとなったため、大学は卒業されず、宮廷で地質学を主に学ばれた。また政治や経済、国際関係、歴史を含め、さまざまな分野の知識をお持ちである。

凪国とその周辺国家の宗教であるヒナタ信仰の御指導者でもあり、その祭事も執り行われている。

幼少時は内気で気弱な性格でいらっしゃったが、成長と共に指導者としての自覚を身に付け、現在では大変明るく御決断力がある方である。

従女浜波 
사쿠싸 하사 나아싸 리이카 쭈미

 

現在の凪国の従女は浜波(サクシャ)様である。

現在21歳で、2歳の時、つまり夕天陛下が6歳から従女に任命されている。

従女は凪皇の女官、侍女にあたる役職で、皇の友人、相談相手、お話相手となる立場である。政府の役職ではなく、同年代くらいの女性が無期限で選ばれる。原則として隣国である水峡の王族から選ばれる。

また護衛を担当する者の筆頭でもあり、近衛隊以外で唯一、皇の傍で帯銃が許される。

名目上は侍女であり、政治上の立場は低いものの、宮廷内地位は皇の配偶者がいない場合は第二位であり、大変影響力が強い。皇との関係上、政治への発言力を多少持っている。

皇と共に公式行事に出席する立場でもあり、従女的立場でありながら国民の

認知度、人気は高い。

冷静かつ落ち着きのある性格で、先走って行動しがちな夕天陛下を諌める立場でもある、と夕天陛下が話されていたりもする。

夕天陛下に近い存在で威圧感もあるため、首相や議員には恐れられている。

 凪国では、暦として【選暦】を用いている。

 凪国は初め、皇ではなく王が統治していた。凪国とその周辺国家はもともと、【ハーディアン】という大きな帝国の一部だった。ある時、その帝国は戦争となり、国内は乱れて疲弊した。この時、このハーディアンに対して、凪領土を含む五人の領主が立ち上がり、それぞれ独立を果たして王となった。そして、この五国王は集まって会議を行い、この地域の統治を合議によって決めることを宣言した。これが【五国王会議】の始まりであり、現在まで続くこの地域【ハルリア】の源流である。そして、この年を選暦と定め、この暦が使われている。

 

 

                  選暦0年 凪王位が設けられ、ハルリア地域は五王国体制となる

                  394年 凪国領土から【神城】が独立する

                  919年 執権が設置される

                  2646年 摂政が設置される。このときまでに執権は既に廃止されている

                  3592年 摂政を廃止する

                  4489年 凪王が凪皇を名乗る

                  4687年 将軍を設置する

                  4738年 神城を再支配する

                  4744年 ハルリアの一カ国【藍峡】を支配する

                  5244年 ルティアの一部を支配する

                  5525年 アルバザードの一部を支配する

                  5804年 私掠船免状発行開始。この頃より世界的な海軍強国の地位を確立する

                  5912年 神城が再独立する

                  6028年 アルバザード等を含め、このときまでに海外領土のほとんどを手放す

                  6024年 尚書を設置する

                  6039年 軍政が行われる

                  6222年 首相を設置する。これまでに尚書の再設置が2度、再軍政が1度あった

                  6334年 第一次世界大戦

                  6369年 ハルリア諸国と神城を含んだ六カ国で【東方軍事同盟】を結成する

                  6379年 第二次世界大戦

                  6433年 現皇、夕天が即位する

                  6438年 地球での2015年現在にあたる

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